三段目とは何か?大相撲の中堅階級について外国人向けにわかりやすく解説

入門
               

監修者・水口 剛

小学6年生から相撲を始め、報徳学園高校、立命館大学を経て春日山部屋に入門し、プロの力士として活躍。
2016年に現役を引退後、人気のサブスクリプション型ドラマ『サンクチュアリ』に出演。
現在はYouTubeチャンネル「お相撲 ぐっちゃんねる」を運営し、相撲の稽古方法や技術、現役時代の体験談などを発信。

三段目は大相撲の六つの階級のうち下から三番目に位置し、序二段を経て昇進した力士が所属します。定員は約180人で、この階級に到達した力士は技術や体格が安定し始め、本格的に幕下昇進を狙う段階に入ります。ここでの勝敗は番付の動きに直結し、将来の関取への道を大きく左右します。

三段目の概要

三段目は大相撲の六つの階級のうち下から三番目にあたります。序二段で経験を積んだ力士が昇進して到達する階級であり、定員はおよそ180人とされています。ここに所属する力士は、体格・技術ともに安定し始め、本格的に幕下昇進を狙える位置に立ちます。相撲部屋での稽古内容も高度化し、体力・技の精度を高めるための指導が強化されます。

三段目に昇進する力士は、基礎力を身につけたうえでさらに技の幅を広げ、対戦相手の取り口に応じた柔軟な戦い方を求められます。序二段に比べ、勝ち星の一つひとつが昇進や降格に直結するため、緊張感のある取り組みが続きます。


大相撲の階級体系と三段目の位置

階級名特徴定員目安
幕内横綱から前頭までを含む最高位約42人
十両関取と呼ばれ、給与が支給される約28人
幕下十両を目指すための登竜門約120人
三段目序二段から昇進した中堅クラス約180人
序二段新弟子修業を経た初級層約200人
序ノ口新弟子がまず所属する階級約50人

三段目力士の特徴

三段目の力士は、基本動作の完成度が高く、安定感が増していることが特徴です。序二段では体格差や経験差による勝敗が目立ちますが、三段目では技の駆け引きや試合展開の巧みさが勝負を左右します。取り口の多様化により、相手の得意技を封じる戦術や、自分の得意型に持ち込むための仕掛けが重要となります。

また、この階級では本場所での成績が直接番付の変動に影響します。勝ち越せば昇進が見込めますが、負け越すと序二段に降格する可能性が高まります。昇進・降格の幅は成績に比例し、特に全勝優勝は幕下入りへの大きなチャンスとなります。


昇進と降格の条件

成績番付変動の傾向
7勝0敗大幅昇進、幕下入りの可能性大
6勝1敗昇進の可能性が高い
4勝3敗番付の維持または微昇進
3勝4敗わずかな降格の可能性あり
1勝6敗・0勝7敗大幅降格、序二段落ちの可能性が高い

三段目での番付変動は、一場所ごとの勝敗が極めて重要です。特に全勝は将来性を強く示し、師匠や相撲協会の注目を集めます。


稽古内容と日常生活の変化

三段目に昇進すると、稽古メニューも厳しさを増します。序二段までの基礎体力作りから一歩進み、実戦を想定した取り組みや技の応用練習が増加します。また、先輩力士との稽古機会が増えることで、技術面だけでなく精神面でも鍛えられます。

項目序二段時代三段目時代
稽古内容基礎体力・四股・すり足中心実戦形式・変化技・立ち合い強化
対戦相手同格力士が中心上位経験者との稽古が増加
食事内容栄養補給重視体重・筋力増強を意識した食事

外国人力士にとっての三段目の意味

外国人力士にとって三段目は、日本の相撲文化や生活習慣に十分慣れ、技術と体力の両面で日本人力士と互角に戦える段階です。この時期に多くの外国人力士は日本語力も向上し、相撲部屋内での役割も増えていきます。また、相撲ファンからの注目度も上がり、後援会の支援が広がることもあります。


過去の有名力士と三段目時代

力士名三段目での特徴その後の実績
白鵬翔全勝優勝を経験し、短期間で幕下昇進横綱
朝青龍明徳三段目での圧倒的な相撲内容横綱
稀勢の里寛安定した取り口で着実に昇進横綱

まとめ

三段目は大相撲における中間地点でありながら、将来を大きく左右する階級です。序二段からの昇進を経て、ここで力士としての本格的な戦いが始まります。昇進を狙う者、番付維持に努める者、いずれも一場所一場所が勝負です。この階級で得た経験と自信が、幕下、そして関取への道を切り開きます。

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