軍配とは?戦国時代から受け継がれる日本相撲の象徴についてわかりやすく解説

入門
               

監修者・水口 剛

小学6年生から相撲を始め、報徳学園高校、立命館大学を経て春日山部屋に入門し、プロの力士として活躍。
2016年に現役を引退後、人気のサブスクリプション型ドラマ『サンクチュアリ』に出演。
現在はYouTubeチャンネル「お相撲 ぐっちゃんねる」を運営し、相撲の稽古方法や技術、現役時代の体験談などを発信。

軍配(ぐんばい)は、大相撲の行司が持つうちわ型の道具で、勝敗の裁定や権威を示す重要な存在です。その起源は戦国時代に遡り、武将が軍を指揮するために用いた軍配団扇にあります。現在では、相撲の舞台で歴史と伝統を背負いながら、試合進行と文化的演出の両面で欠かせない役割を果たしています。

軍配の起源と歴史

軍配の歴史は戦国時代にさかのぼります。当時、武将は戦場で部隊の配置や進退を指示するために軍配団扇を用いました。この団扇は戦況を冷静に判断し、素早く指示を伝えるための道具であり、将軍の権威と冷静さを象徴していました。
江戸時代になると、平和な時代が続き、軍配は戦場ではなく儀礼や行事に用いられるようになります。その後、大相撲の行司が軍配を持つ慣習が生まれ、今日に至ります。

軍配の歴史的変遷

時代用途特徴
戦国時代戦場での指揮武将の権威象徴、実用重視
江戸時代儀式・行事装飾性向上
近代以降大相撲の道具行司の権威と裁定を示す

相撲における軍配の役割

大相撲では、行司が軍配を使って勝敗を宣告します。取組が終わると、勝者側に軍配を向けて裁定を下します。この動作は観客にもはっきりと勝者を示すための重要な所作です。
また、軍配は取組前にも用いられます。立会い前に両力士を促す際、軍配を上下させて合図を送ります。これにより、行司は試合全体の進行を統率します。

軍配の主な機能

用途具体的な動作意味
勝敗の裁定勝者側に軍配を向ける勝者決定の宣言
試合進行の合図軍配を上下に振る立会い開始の指示
権威の象徴常に手に持つ行司の立場を示す

軍配の形状と素材

軍配はうちわ型で、柄と扇面から成ります。扇面は木や紙を重ね、漆や金箔で装飾することが多いです。柄には滑り止めが施され、握りやすい設計になっています。
素材は時代や行司の位によって異なり、高位の行司ほど豪華な装飾を施された軍配を持つ傾向があります。

軍配の素材と特徴

部位素材特徴
扇面木・紙・漆軽量で耐久性あり
木・竹握りやすく滑りにくい
装飾金箔・漆位や格式を示す

外国人が注目する軍配の文化的価値

外国人観光客は、大相撲の土俵上で軍配が持つ象徴性に興味を抱きます。軍配は単なる道具ではなく、日本の歴史、武士道、礼儀作法が凝縮された文化財です。
また、軍配の動きは試合の緊張感を高め、観客を引き込む効果があります。そのため、軍配はスポーツの道具であると同時に、日本文化を体現する演出の一部でもあります。

外国人が興味を持つポイント

視点説明
歴史的背景戦国時代の軍配団扇が起源
美術性漆や金箔の装飾
儀礼性行司の所作と一体化

まとめ

軍配は戦国時代から現代まで、日本文化の中で姿を変えながら生き続けてきた象徴的な道具です。大相撲においては、勝敗を決める権威の象徴であり、観客への明確な合図でもあります。形状や素材、所作の一つひとつに意味があり、外国人にとっても理解すればするほど魅力的な存在です。

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