幕下は、大相撲の階級の一つで、三段目の上・十両の下に位置します。ここには関取昇進を狙う実力者が120名集まり、激しい昇進争いが繰り広げられます。幕下以下は力士養成員と呼ばれ、給与ではなく本場所ごとの手当で活動します。この階級は、将来の横綱や大関候補が鍛え上げられる重要な場であり、相撲観戦の醍醐味が詰まっています。
幕下とは何か
幕下は、大相撲の階級の中で三段目の上、十両の下に位置します。下位の序二段や序ノ口を経て、実力を磨いた力士が到達する場所であり、ここからさらに関取(十両以上)を目指します。幕下の番付は東西に分かれ、上位から下位まで合計で120名が在籍します。この人数は固定されており、昇進や降格によって入れ替わります。
大相撲の主な階級構造
順位 | 階級名 | 人数目安 | 給与の有無 |
---|---|---|---|
1 | 横綱 | 1〜2名 | 有 |
2 | 大関 | 数名 | 有 |
3 | 関脇 | 数名 | 有 |
4 | 小結 | 数名 | 有 |
5 | 前頭(幕内) | 約30名 | 有 |
6 | 十両 | 約28名 | 有 |
7 | 幕下 | 120名 | 無(手当のみ) |
8 | 三段目 | 約200名 | 無 |
9 | 序二段 | 約230名 | 無 |
10 | 序ノ口 | 約40名 | 無 |
幕下力士の待遇と生活
幕下以下の力士は、「力士養成員」と呼ばれます。関取とは異なり、月給はなく、場所ごとの手当が支給されます。この手当は番付や成績によって変動し、十両昇進を果たすことで初めて安定した給与が得られます。
幕下と十両以上の待遇比較
項目 | 幕下(力士養成員) | 十両以上(関取) |
---|---|---|
身分 | 養成員 | 関取 |
月給 | 無 | 約100万円以上 |
手当 | 有(場所ごと) | 有(給与に加算) |
支度部屋 | 下位力士用 | 関取専用 |
着物・外出 | 制限あり | 自由度高い |
弟子の付き人 | 無 | 有 |
幕下力士は、関取の付き人として稽古や移動、身の回りの手伝いを行うことも多く、日常生活も含めて相撲の世界での礼儀作法や振る舞いを学びます。
幕下の番付と取り組み
幕下の番付は東西制で、上位から下位まで細かく順位が設定されます。各場所での取組数は7番が基本で、勝ち越しか負け越しかによって翌場所の番付が上下します。幕下上位に位置する力士は、十両力士との対戦機会も得られることがあり、昇進の大きなチャンスとなります。
幕下番付のイメージ
区分 | 特徴 | 昇進の可能性 |
---|---|---|
幕下上位(1〜15枚目) | 十両力士との対戦あり | 勝ち越しで十両昇進の可能性 |
幕下中位(16〜60枚目) | 同階級内での取組中心 | 上位進出が目的 |
幕下下位(61〜120枚目) | 三段目との入れ替え圏内 | 負け越しで降格の危険 |
昇進と降格の仕組み
幕下から十両へ昇進するには、幕下上位の番付で6勝1敗または全勝などの優れた成績を残す必要があります。逆に、幕下下位で負け越すと三段目への降格が待っています。
昇進・降格条件の目安
状況 | 条件例 | 結果 |
---|---|---|
昇進 | 幕下上位で6勝以上 | 十両昇進 |
現状維持 | 幕下中位で4勝3敗 | 同階級維持 |
降格 | 幕下下位で2勝以下 | 三段目降格 |
この厳しい入れ替え制度が、幕下の取組に独特の緊張感をもたらしています。
まとめ
幕下は、力士の将来性を見極めるには格好の階級です。ここでの取組には、将来の横綱や大関候補が多数含まれています。まだ荒削りながらも、力強さや勢いに満ちた相撲が展開され、観客にとっては非常に見応えがあります。また、幕下から一気に十両、幕内と駆け上がるシンデレラストーリーも珍しくありません。
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