大相撲の本場所についてわかりやすく解説!年間六回の開催地と日程を紹介

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監修者・水口 剛

小学6年生から相撲を始め、報徳学園高校、立命館大学を経て春日山部屋に入門し、プロの力士として活躍。
2016年に現役を引退後、人気のサブスクリプション型ドラマ『サンクチュアリ』に出演。
現在はYouTubeチャンネル「お相撲 ぐっちゃんねる」を運営し、相撲の稽古方法や技術、現役時代の体験談などを発信。

大相撲の本場所は、日本相撲協会が公式に主催する年間六回の公式戦であり、力士の地位や収入を左右する最も重要な大会です。土俵での取組は単なる勝敗を超え、日本の伝統文化や礼法を映し出す厳粛な場でもあります。初心者や外国人にとっては、相撲の魅力を体感する最良の機会といえるでしょう。

大相撲の本場所とは

大相撲における「本場所」とは、日本相撲協会が公式に主催する最も権威ある取組の場を指す言葉です。年間を通じて定められた回数が行われ、各力士はこの土俵上で日頃の稽古の成果を存分に発揮します。単なる競技の舞台ではなく、力士の地位や給与に直結する場であり、また伝統文化を支える大切な舞台でもあります。力士はそこで勝ち星を積み重ね、番付の上昇を目指します。本場所は国技館をはじめとする全国の大都市で開催され、多くの観客が詰めかけて熱気に包まれるのです。そのため本場所は力士にとって人生を左右するほど大きな意味を持ち、観客にとっては迫力ある取組を直に体感できる貴重な機会となります。特に外国人にとっては日本の伝統文化を理解する最良の入口であり、相撲が単なる格闘技にとどまらず神事や礼法を伴った独自の文化であることを知るきっかけにもなるのです。


年間の開催地と時期

本場所は年間に六回行われ、それぞれの開催地と時期は明確に定められています。新春に東京から始まり、春は大阪、夏は再び東京、名古屋の盛夏、秋の東京、そして冬に福岡と続きます。これらの開催地は日本各地の大都市であり、多くの相撲ファンが足を運べるように工夫されています。地方開催の本場所ではその土地ならではの文化や食も楽しむことができ、観戦と観光を兼ねる人々も少なくありません。また同じ会場であっても季節ごとに雰囲気は異なり、冬の福岡では寒さと熱気が入り交じり、夏の名古屋では暑さの中での取組が力士を一層試す場となります。このように全国を巡回することにより、相撲が広く国民に根付いた存在であることが改めて感じられます。

年間の本場所一覧

開催月開催地会場通称
1月東京両国国技館初場所
3月大阪エディオンアリーナ大阪春場所
5月東京両国国技館夏場所
7月名古屋愛知県体育館名古屋場所
9月東京両国国技館秋場所
11月福岡福岡国際センター九州場所

本場所の期間と日程

本場所はそれぞれ15日間にわたって開催されます。期間中は「初日」から始まり「千秋楽」で幕を閉じます。千秋楽の結びの一番は大相撲の中でも最も注目される場面であり、観客の緊張感と熱気は最高潮に達します。15日間という日程は力士にとって非常に過酷で、毎日全力で相手とぶつかり合うため体力と精神力の両方が試されます。さらに勝敗は翌日の取組や最終的な番付に直結するため、気を抜く暇はありません。取組は序盤、中盤、終盤と進み、優勝争いが絞られていく過程はまさにドラマのようです。


力士の番付と昇降格

相撲界では力士の実力や実績が「番付」と呼ばれる序列によって明確に示されます。本場所での勝敗はその番付に直結し、成績が良ければ昇進、悪ければ降格となります。例えば関脇や小結といった三役から大関や横綱に昇進するためには、連続して優れた成績を収めなければなりません。逆に負け越しが続けば、番付が下がり収入も減少します。この厳格な評価制度が力士に緊張感を与え、常に全力の取組を生み出しているのです。

力士の地位と役割

地位特徴給与・待遇
横綱相撲界の最高位、降格はなし高額給与と特別待遇
大関横綱候補、安定した成績が必要高給与、降格規定あり
三役(関脇・小結)実力者が集う地位手当増加
平幕大多数の力士が属する標準給与
十両以下関取未満、序列が低い給与は少なく雑用多し

本場所の雰囲気と観戦の魅力

本場所の魅力は取組そのものだけでなく、会場全体の雰囲気にもあります。会場では幕内力士の入場行進や土俵入りが厳かに行われ、太鼓や呼出しの声が響き渡ります。観客は声援や拍手で力士を後押しし、勝敗が決した瞬間には大きなどよめきが起こります。さらに升席では飲食をしながら観戦でき、日本の伝統的な観劇文化を体感できます。外国人観光客にとっては日本文化を一度に味わえる貴重な体験となり、多くの人が再訪を望む理由にもなっています。本場所はまさに日本の伝統と現代の娯楽が融合した舞台と言えるでしょう。


まとめ

大相撲の本場所は単なるスポーツイベントではなく、日本文化を象徴する行事です。力士は己の技量と誇りを賭けて土俵に立ち、観客はその姿に感動を覚えます。年間六回の本場所は全国の人々に熱狂をもたらし、外国人にとっては日本文化を知る絶好の機会となります。取組の迫力、伝統の重み、観客の熱気が融合することで、大相撲は国技として揺るぎない存在となり続けているのです。

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